【映画で英語を学ぶのは効果的?】英語講師が正直に語る“映画学習”のリアル
社会人の生徒さんからの質問「映画で英語ってどうなんですか?」
先日、ある社会人の生徒さんから、こんな質問を受けました。
「先生、映画を使って英語を勉強するのってどうですか?
先生は映画を字幕なしで理解できるんですか?」
この質問、実はこれまでにも何度も受けてきました。
みなさんの関心の高さがうかがえますね。
ちなみに僕は、普段から中高生・大学生・社会人の方々に英語を教えています。
職業として、英語を教え、英語を使い、毎日英語に触れています。
そんな僕が、映画を字幕なしでどの程度理解できるかというと…
**正直に言って、内容によっても異なりますが「だいたい4割程度」**です。
もちろん、日常会話を中心にした映画ならもう少し理解度は上がりますが、
専門用語が多かったり、スラングが飛び交う映画になると、
ネイティブでも「え?」と聞き返すレベルの難しさです。
「映画で英語学習」は最高難度レベルです!
「映画で楽しく英語を学びたい!」という声は非常に多いです。
確かに、映画や海外ドラマはネイティブの自然な英語が詰まっていて、
憧れやモチベーションにつながる最高の素材ですよね。
でも、冷静に考えてみてください。
- 会話が早い
- スラングやイディオムが多い
- 音がつながる(リエゾン)
- 登場人物のアクセントがバラバラ
- 映像と同時進行で情報処理が必要
こういった要素が、映画のリスニングをとてつもなく難しくしています。
つまり、「映画を字幕なしで観る」というのは、英語学習の最終到達点に近いんです。
しかも、リスニング以外にも、
- 登場人物の関係を理解する
- 文化的背景を知る
- 表情や間の取り方を読み取る
など、総合的な理解力が求められます。
英語初心者が最初からここに挑戦するのは、
山登りでいきなりエベレストに挑むようなものです。
映画学習を成功させるには「段階的なアプローチ」がカギ!
だからこそ、僕はこうアドバイスします:
「映画で英語を学ぶのは、やってはいけないわけではありません。でも、やるなら“順序”を守ってください」
具体的には、以下のステップがオススメです:
- 中学英語の文法と単語をしっかり身につける
- 簡単な英語教材(基礎的な英会話動画など)でリスニングを強化
- ニュースや子ども向けドラマで聞き取り練習
- 字幕ありで映画を楽しみつつ、「気になる表現」をピックアップ
- 徐々に字幕なしでの理解にチャレンジ
このように、**「土台を固めてから映画へ」**という順序を守ることで、
映画学習は「効果がある」どころか、最高に楽しくて役に立つ学習法になります。
僕自身も、映画やドラマを使った勉強は続けています。
でもそれは、あくまで基礎ができているからこそ、
「学びとして楽しめる」ようになっただけの話です。