【英語教育の誤解】“聞き流し”だけで英語は話せるようにならない理由
最近増えている「幼児向け英語プログラム」に思うこと
近年、日本国内の多くの幼稚園や保育園でも英語教育が取り入れられるようになってきました。
- 英語の歌を流す
- 簡単なあいさつを英語で言ってみる
- 英語を“耳から慣れさせる”ことに重きを置いたプログラム
例えば、とある保育園では2歳から5歳までの子どもに英語の歌を日常的に聞かせているとのこと。
「英語を小さいうちから耳に入れると、自然に話せるようになる」
「日本語を覚えるように、英語も自然と身につく」
そんな声をよく耳にします。
本当に“聞かせるだけ”で英語が身につくの?
結論から言うと、「聞き流すだけで英語ができるようになる」と考えるのは非現実的です。
もちろん、英語に早い段階から触れること自体には意味があります。
英語特有の音やリズムに慣れる、発音の土台が作られるなどのメリットは確かに存在します。
しかし、聞くだけで「意味が理解できるようになる」わけではありません。
そして、さらに言えば「話せるようになる」には別のプロセスが必要です。
子どもは英語を「聞いただけで」理解できるのか?
例えば、日本語でも同じです。
日本語を話せるようになる子どもたちは、「ただ聞いていたから」話せるようになったのでしょうか?
実際はそうではなく、
- 親とのやり取り(インプット+アウトプット)
- たくさんの“会話のやりとり”を通じた学び
- 間違いながらも繰り返す試行錯誤
こうした経験を通して、言語は運用できるようになります。
英語も同じで、「ただ聞かされるだけ」で自然に話せるようになることはあり得ません。
「聞き流し」による学習が効果を持つ条件とは?
「聞き流しが全く意味がない」とまでは言いません。
ただし、それはすでに基礎的な語彙や文法知識を持っている場合に限ります。
例えば、
- 英語の語順をある程度理解している
- よく使う表現の意味がわかっている
- ある程度の英語力がある人が、英語環境に長時間身を置いている
こういった人にとっては、英語の音を“聞き流す”ことが補助的な学習になる場合もあります。
しかし、まだ基礎が身についていない初級者や幼児にとっては、「ただ聞いているだけ」では何も定着しません。
正しい英語の身につけ方とは?聞く・話す・使うのバランスが大切
英語を話せるようになるためには、**「聞く・話す・読む・書く」**の4技能をバランスよく使うことが不可欠です。
特に、以下のステップが重要です。
- 意味のあるインプット(単語・表現を理解したうえで聞く)
- 発音を真似して音読する(自分の口で出すことで記憶に残る)
- アウトプットの練習(実際に使う場面を想定して練習)
- 反復して定着させる
「聞くだけ」では、このプロセスの1番も満たしていないことが多く、効果は非常に限定的です。
結論:「聞き流し」に過度な期待は禁物!
英語の歌や音声を流すだけでは、「英語が自然に話せるようになる」というのは幻想です。
✅ 小さい頃から英語に触れるのは確かに良い
➡ しかし「意味のある体験」として英語を使うことが大事
✅ 英語を“聞かせるだけ”でなく、“使わせる”工夫が必要
➡ 遊び・絵本・簡単なやり取りなどで、英語に“参加”させる
まとめ|本当に意味のある英語教育とは?
幼児英語教育で「聞き流し」を過信しない
聞くだけでは英語は身につかない
実際に使う経験があってこそ、語学は定着する
英語教育は“体験”と“継続”がカギ